ファーウェイのHarmonyOS(ハーモニーOS)は何がスゴイ?

ファーウェイのHarmonyOS

ファーウェイのHarmonyOS

最近何かと話題になっているファーウェイですが、何がすごいか質問されると、答えに困るかも知れません。

アメリカが重要な部品の使用をストップさせるなど猛烈な対抗意識を燃やしている、その理由について迫ってみましょう。

ここでは中でも特に注目を浴びている独自OS「HarmonyOS(中国名:鴻蒙OS(こうもう))」に関してまとめました。

ファーウェイの独自OS「HarmonyOS(ハーモニーOS)」とは?

ファーウェイは携帯機器の製造を手掛ける中国の企業で、今ではアップルを脅かす存在にまで成長しています。

そんな同社ではこれまでGoogleのOSであるAndroidを利用していたのですが、近ごろになって独自のOSを発表するに至りました。

このOSはHarmonyOSと呼ばれています。

HarmonyOSの特徴は?

ファーウェイのハーモニーOS

新しいOSですから運用実績の面では不確定要素が多いものの、既存のAndroidやiOSとは一線を画した設計になっており、この両者を脅かす可能性は低くはないでしょう。

このOSを語る上で重要なキーワードをピックアップしてみました。

コンパクト設計

非常にコンパクト設計になっており、スマートフォンだけではなく、スマートウォッチなどの小型端末にも利用できるとされています。

分散アーキテクチャ

このOSの大きな特徴は、分散アーキテクチャを備えている点です。

これは世界でも初となる試みとされており、そのインパクトは小さくはありませんでした。

この分散アーキテクチャが利用されていることで、アプリ開発はかなり効率化されると考えられています。

これで制作されたアプリは、多彩なデバイスで動作するために、開発者にとっては大きな恩恵があると言う見込みがなされているのです。

マイクロカーネルアーキテクチャ

またマイクロカーネルアーキテクチャを利用しているのも、特徴の一つでしょう。

マイクロカーネルと言うのはOSの設計方針の一つと言え、OSに備わる多彩な機能をいわば部品のように扱うことで、設計をシンプルにしたものです。

OSの必要な部分以外はユーザーレベルにすることで、色々なメリットが生まれてきます。

まず設計がシンプルになるので、動作の高速化は期待できるでしょう。

加えてファーウェイは他の会社のOSにあるような、無駄な部分の排除を目指してきました。

このために軽量で高速動作できるOSとして、HarmonyOSの存在価値が認められる可能性があります。

加えてカスタマイズ性は大きく向上しますから、機能の追加や修正なども行いやすくなるとされています。

他にも一部の機能にトラブルが生じても、メインとなるシステムへの影響を受けにくい点も、マイクロカーネルを利用したOSの特徴でしょう。

セキュリティ面でも恩恵を得られると、何かとメリットが多いのは魅力です。

マルチデバイスIDE・マルチ言語統合コンパイル

マルチデバイスIDEとマルチ言語統合コンパイルを備えているのも、HarmonyOSの利点となりえます。

これらのソリューションを備えていることで、プログラムのコーディング作業を簡素化できたり、多彩な言語でのコンパイルを統合できるために、開発効率を大きく改善できると考えられています。

これは分散アーキテクチャの採用とも相互にメリットがあり、それだけ優れた設計思想の下で開発されたと言えるでしょう。

AndroidOSより優位な点が多いHarmonyOSの目指すところは?

ハーモニーOSとアンドロイドOS

このような独創的とも考えられる特徴を持つHarmonyOSは、既存のAndroidに比べて優れているとみられる点もいくつか見当たります。

しかし実際に注目したいのは、このOSはAndroidではなく、Googleが新開発している「Fuchsia」に対抗している可能性がある点です。

Fuchsiaは今のところ実態は明らかになっていませんが、マイクロカーネルを採用するなど、ファーウェイのOSと似ている部分もいくつかあります。

今後はこのFuchsiaがAndroidに取って代わるか、あるいは併存していく形になるかもしれません。

そうなった場合でも分散アーキテクチャやマイクロカーネルなど異彩を放っているHarmonyOSは、マーケットで存在感を占めることも不可能ではないでしょう。

HarmonyOSの不安要素は?

ここまえはHarmonyOSのいいところを中心に紹介してきましたが、これまでの実績が少なく先行き不透明ではあります。

多彩なデバイスに対応していると言うものの、実際にはテレビとスマートウォッチとでは、動作や品質に違いが生じてくる可能性も指摘されています。

一般のマーケットにこのOSが搭載された製品が登場するのは2020年春以降と予定されていますが、実際の評価についてはいくつか製品が発売されて、その結果を見る必要があります。

いつ頃から搭載される?

今後の展開としてはファーウェイのスマートフォン全てに、いきなりこのOSが搭載されることはなさそうです。

やはり今でも使われているAndroidの方が実績もあり、確固たる地位を築いている分、これを使わない選択肢は考えにくいでしょう。

ただしアメリカはファーウェイの成長と台頭を嫌っているのは明確で、今後は更なる対抗措置として、Androidの使用を禁止するようなシナリオもありえます。

その時には代替OSの存在は不可欠です。

今後もこのOSにはアプリ開発はどうするのかなど疑問も多いですし、すでに改善点なども多数指摘されていますが、同社の知名度と成長具合から察するに、今後も目が離せないでしょう。

まとめ

世界的にな大企業に成長した中国スマホメーカー「ファーウェイ」が開発している「HarmonyOS」についてまとめました。

いまはアップルのiOSとグーグルのAndroidOSの2強時代ですが、こういった新しい勢力が出てくることは歓迎したいですね。

今後は県を獲れるかは神のみぞ知る状況ですが、力のある企業ですし中国国内で足場を固められれば世界に羽ばたくことも十分ありえます。

将来どうなるのか?に注目していきましょう!