ソフトバンクが格安SIM業者(MVNO)への回線レンタル料を3割超引き下げる、と日本経済新聞が報じました。ソフトバンク回線が使える格安SIMで一般向けに提供されているものは、今のところ1社しか確認できません。かなり少ないため今後の広がりが期待されます。
格安SIM業者はキャリアが持ってる回線を借りて通信サービスを提供している会社です。ドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル回線それぞれに格安SIMサービスがありますが、そのほとんどはドコモ回線を利用したもの。正確な数字はわかりませんが、一般向けにサービス提供している主な格安SIM業者を見る限り、9割はドコモでしょう。
ドコモが多いのは、国の取り決めで格安SIMサービスを始めたい会社からの依頼を断れないためですが、auとソフトバンクには適用されてないようです。そのため、この2社は申し込んできた会社を断ってきたため対応業者の数が少ないんでしょう。
また、回線レンタル料が以下のとおりになっていて、割安なドコモに集中するのは自然の流れでしょう。
キャリア | 10Mbpsあたりの レンタル料金 | ドコモとの差額 |
---|---|---|
ドコモ | 785000円 | - |
au | 968000円 | 183000円 |
ソフトバンク | 1167000円 | 382000円 |
回線を借りるときの契約形態はわかりませんが、ドコモ回線で仮に下り最大300Mbpsを提供するなら、30倍の額(2355万円)を月ごとか年ごとに払うことになるんでしょうね。
で、今現在キャリアから回線を借りている業者は220社ほど。9割ドコモとして計算すると、
198社×2355万=46億6290万円
収益があるわけです。もし月ごとなら560億くらいの儲け。
そしてソフトバンクはこの料金を3割超、ドコモレベルまで値引きするとのことなので、当然auも追随してくるはず。
そうなれば格安SIMの料金がさらに下がるかもしれませんし、今年10月に大手「IIJmio」がドコモの他au回線にも対応したように、1つのサービスで複数回線選べるのが当たり前になるかもしれませんね。
キャリア契約から乗り換えれば通信料は確実に安くなる格安SIMですが、未だ普及率は1割超にとどまっています。これがきっかけでさらに普及していけば、キャリアのように実店舗も増えていくでしょうし、より身近で使いやすいものになってなっていくことでしょう。