ながらスマホが厳罰化されたけど昔とどう変わった?

ながらスマホ厳罰化

ながらスマホ厳罰化

「ながらスマホ」、という言葉をご存知ですか。

ニュースなどでも取り上げられることが増えているため、聞いたことがある人も多いでしょう。

一応解説しておくと、何か別の動作をしながらスマートフォンを操作することを「ながらスマホ」と言います。

歩行中や自転車での走行中、車の運転中でさえスマートフォンを手放すことが出来ない人が増えているのです。こうした行動は周囲への注意力が低下し、思わぬ事故や損失を生み出します。

スマートフォンや携帯電話は、確かに大変便利なものです。端末ひとつでインターネットやゲーム、ショッピングが楽しめます。こうした情報端末の利便性は確かに高いものですが、画面の意識が集中してしまいと危険が迫ったときの速やかな判断を鈍らせます。

道路交通法が改定され「ながらスマホ」厳罰化へ

ながらスマホ厳罰化 道路交通法

このため、日本政府は緊急に「道路交通法」の整備を実施しました。

令和元年6月から道路交通法は改正が公布され、令和元年12月からは厳罰化が施行されたのです。自動車及び原動機付自転車などの運転中の「ながらスマホ」は、罰則が強化され立派に道路交通法違反として取り締まりが行われます。私たちはその具体的な内容を知り、法律を守る義務があるといえるでしょう。

厳罰化には、以下の内容が含まれています。

厳しくなった「ながらスマホ」の罰則

運転中のスマホ「保持」で6か月以下の懲役と10万円以下の罰金にアップ

まず自動車の運転中にスマートフォンや携帯電話を持ちながら通話したり、画像を見ている場合は「保持」と見なされ、罰則が強化されました。新たに「6か月以下の懲役」が設けられます。運転中、スマートフォンを「保持」していると見なされれば今度からは懲役刑が適応される可能性があるのです。さらに罰金は、「10万円以下」と設定されました。以前は「5万円以下」からだったので、大きな負担が掛けられるようになったのです。

普通車なら6000円→18000円の反則金額アップ

加えて反則金の支払いも必要です。普通車であれば、反則金として「18,000円」支払う必要があります。実はこの反則金は、厳罰化が導入される前までは「6,000円」でした。一気に3倍もの金額アップが、いかにこの「ながらスマホ」がリスクの大きい行為であるかがわかるでしょう。

1点→3点に減点もアップ

さらに最も気になる違反点数についても、点数はより大きく引かれるものとなっています。従来は1点の減点でしたが、厳罰化された道路交通法が施行されてからは一気に3点の減点となります。

事故を起こすと1年以下の懲役股は30万円以下の罰金に厳罰化

さらにスマートフォンや携帯電話を使用して実際に交通事故を引き起こした場合には、より厳しい罰則が規定されました。実際に事故を起こした場合は「保持」ではなく「交通の危険」として罰則が発動します。これに該当した場合、「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が必要とされるのです。以前の「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」と比べるとかなりの厳罰化が施行されています。懲役刑の刑期がより長くなり、罰金も跳ね上がりますからリスクが大変大きいものとなりました。

「交通の危険」とみなされると刑事罰に

これだけではなく、「交通の危険」とされた場合には反則金自体が設定されません。刑事罰の対象となり懲役刑または罰金刑の対象となります。必ず罰を受けるという仕組みになりましたので、より危機感を高める必要があると言えます。違反点数については、一度で6点もの減点行為と設定されました。これは、一度「交通の危険」と見なされる行為を行うと免許停止となることを意味しています。以前は2点の減点でしたが、増加する交通事故を食い止めるためにこのような苦しい罰が設定されたのです。

カーナビでもながらスマホと同じ罰則が適用される

ながらスマホ厳罰化 カーナビ視認・操作

こうした罰則は、スマートフォンや携帯電話を操作または注視している時だけに発動するのではありません。カーナビやタブレット端末でも同様の罰則が与えられます。これらの製品は画像を注視させてしまい、交通事故を引き起こす可能性があるのです。

持っていただけで違反となる可能性もある

見ていない状態であっても、罰則の対象となる場合もあります。たとえば、スマートフォンや携帯電話などをただ単に片手で「持っていた」場合です。この場合、2秒ほど注視しているだけで罰則の対象となる可能性があります。各都道府県の警察によって解釈が異なる可能性がありますが、どちらにせよ情報端末などを触る時は自動車を停止した上で操作を行うことが最も安全な方法と言えるでしょう。

ながらスマホによる事故は増加し続けている

これら厳罰化の流れの目的は、事前に事故の芽を摘むという意味合いが多く含まれます。

警察庁では、平成30年中に携帯電話などが起因して発生した事故は2,790件発生しており、これは平成25年の2,038件の約1.4倍もの件数を示しているのです。このままのペースでは、「ながらスマホ」が原因となる事故が増加してしまいます。早期に危機意識を持ち、出来るだけ正しくスマートフォンや携帯電話を取り扱うことで事故や違反は防ぐことが出来ます。

事故件数自体は減少傾向にあっても、「ながらスマホ」が原因となる交通事故は今まで増加の一途をたどっていました。こうした動きには自動車メーカーだけではなく、タクシー・ハイヤー業界でも注目されています。一般的に自動車を使用する私たちも交通事故に結び付きやすい「ながらスマホ」を意識的に避け、出来るだけ安全な運転を行うべきです。安全運転を心がければそれほど、難しいことではありません。

まとめ

2019年12月から厳罰化された「ながらスマホ」の罰則内容について解説しました。

範囲は拡大し、罰金額は増加、減点も増えました。

さらにスマホ以外のカーナビなどでも同じ罰則が科されるため、ドライバーの方はカーナビ操作するときも一旦停止してから実行するようにしたいですね。