現代の小学生は、授業でタブレットやノートPCを使用することが増えています。タブレットやパソコンを使った授業では、教材や課題をデジタル化し、インタラクティブに学ぶことができます。しかし、そうデジタル化しているからと言って、ノートは不要になるのでしょうか?
まずは、タブレットやノートPCを使った授業のメリット・デメリット
ノートが必要か不要かを判断するまえに、タブレットやノートPCを使った授業のメリットとデメリットを知ることが重要です。
メリット
- タブレットやノートPCを使うことで、インターネットやデジタル教材を活用することができ、教材の種類や量が増えます。教科書だけでなく、動画や音声、インタラクティブなコンテンツを活用することで、生徒の興味や関心を引き出すことができます。
- タブレットやノートPCは軽量・コンパクトで、教科書やノート、筆記用具などを持ち歩かなくてもよくなります。また、デジタル教材は音声や画像、動画で学習することができるため、視覚や聴覚に訴えることができ、学習効果を高めることができます。
- タブレットやノートPCを使うことで、講師は生徒の学習状況をリアルタイムで把握できます。例えば、生徒が理解できなかった箇所を把握し、すぐに補足説明をすることができます。また、教材のカスタマイズも容易になり、生徒に合った教材を提供することができます。
- タブレットやノートPCを使うことで、音声や画像、動画で学習することができるため、障害のある子どもたちとない子どもたちが同様に授業に参加できるインクルーシブ教育が可能になります。
デメリット
- タブレットやノートPCを使いすぎることで、依存症になる可能性があります。また、デバイスを使うことで情報過多になり、特定の情報に偏る可能性もあります。
- タブレットやノートPCは電源が切れたり、ネットワークに接続できなかったりすると、授業が中断することがあります。
- タブレットやノートPCを使うことで、生徒が筆記や手書きの練習をする機会が減少することがあります。筆記や手書きの練習は、脳の発達にとても重要であり、文字や図形の書き方や文字の美しさを身につけることができます。
- タブレットやノートPCを使うことで、情報漏洩のリスクが高まることがあります。
タブレットなどを使用した教育の将来性や今後の発展について
タブレット教育のメリットとデメリットを知った上で、将来性や今後の発展についての見通しも考えてみましょう。
タブレット教育が一般的になる可能性が高い
タブレットは持ち運びやすく、インタラクティブな学習体験を提供することができるため、教育現場での利用が一般的になる可能性があります。特に、COVID-19パンデミックによるオンライン教育の需要の高まりや、テクノロジーを活用した教育の必要性が高まっている現在の状況では、より一層普及する可能性があります。
タブレット教育のアプリケーションやコンテンツの拡充が進む
今後、タブレット教育に必要なアプリケーションやコンテンツの開発が進み、教育内容や学習体験がより充実したものになると予想されます。例えば、AIを活用した学習アプリや、VR技術を用いた学習プログラムが開発されることにより、より深い理解や体験が可能になるでしょう。
タブレット教育の個別指導がより進む
タブレット教育を利用することで、生徒一人ひとりに合わせた学習が行いやすくなると考えられます。生徒のレベルや進捗に合わせて、カリキュラムを調整することができるため、個別指導に適した教育手法となることが期待されます。
タブレット教育におけるセキュリティ対策がより重視される
タブレット教育を利用することで、個人情報が漏洩する危険性があるため、セキュリティ対策がより重要になるでしょう。学校や企業は、セキュリティ管理の強化や、プライバシー保護に関する法律を遵守することが必要となるでしょう。
では、現代の小学生にノートは不要?
タブレットやノートPCを使った授業のメリット・デメリットと将来性や今後の発展を紹介しました。そこで、現代の小学生にノートが不要かどうかというと、その小学生が通う学校の教育方針や授業の内容、またその小学生自身の学習スタイルによって異なると思います。
デメリットで述べた通り、ノートは紙に書いて手で書くことで、脳の活性化や情報処理能力の向上につながるとされています。また、筆記による記憶定着効果も高く、学習において重要な役割を果たしています。
小学生にとっては、まだまだ文字を書く練習が必要な時期であり、紙に書いた方が手の指先を使うことで、手先の発達にもつながるし、紙のノートを使うことでタブレットやスマートフォンのデバイスによる学習の際に起こりやすい目の疲れや肩こりの問題も回避できる可能性もありますので、まだ小学生にノート不要とは言い難い状況です。