RAMの役割
スマホに搭載されているRAMはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory)の略称で、動作させるアプリを配置したり、データを一時的に保存する役割を持っています。
例えば機種の仕様ページにROM32GB、RAM2GBと記載されている場合は、後者の2GBが該当します。
ROMとの違いは?
ROMとの大きな違いは、データの保存状況です。ROMはリードオンリーメモリ(Read Only Memory)の略称で、書き込み不可能な読み込み専用メモリを言います。
リードオンリーメモリは、電源を切っても保存されているデータが消えることはありませんが、ランダムアクセスメモリは電源を切った時点でデータは消えてしまいます。
通常スマホの画面が暗くなるのは電源が落ちているわけではなく、一時的にスリープ状態になっているだけで、厳密には内部電源は入ったままでメモリにはデータ保持用の電圧が供給されていますから、保存済みのデータが消えることはありません。
一方電源ボタンで完全に電源を切ると、保存されていたメモリの中身は消えてしまいますが、電源が切れる前に必要なデータはROMやSDメモリに退避されます。
この退避先が内部ストレージで、読み書き可能なフラッシュROMというデバイスが使用されていますが、日本国内ではスマートフォンの内部ストレージを単にROMと呼んでいます。
ROMは書き込みできないようマスク処理が施されているためフラッシュROMとは異なり、厳密には正しい名称では無いため混乱しないよう注意が必要です。
アクセススピードが速いRAM
RAMはパソコンやスマホはもちろん多くのコンピュータ機器に搭載され、映像データや画像データのやり取りにも使われるなど、いろいろな場面で活躍しています。
アプリなどのプログラムやそれに付随する設定データは、通常スマホ内蔵のフラッシュROMやオプションのmicroSDに保存されていますが、これらはアクセススピードが遅いため、リアルタイム動作には向きません。
このため実際にアプリを動作させる段階で、アクセススピードが速いRAM上にプログラムをロードすると同時に、必要となるデータ通信もメモリを介して行われます。
もしすべての動作にフラッシュROMを利用した場合、仮に高性能なCPUを搭載していたとしても、メモリアクセスに時間を取られますから、高速動作は不可能となります。
動画を再生する際にも、データの待ち合わせが発生するため、頻繁に再生がストップすることとなり、ストレス無しに映像を楽しむことはできません。
RAM容量の多さがスマホの動作スピードに影響する
内部ストレージが大きいほど多くのアプリをインストールできるため、様々なツールを使うことができ便利ですが、動作スピードを考慮すると内部ストレージ以上にRAMの容量は重要です。
パソコンは4GBから16GB以上もの容量を搭載している機種もある一方、スマホが市場に出始めた頃の容量は、512MBから1GB程度が主流でした。
現在は大容量を必要とするアプリのほか大量のデータを扱うケースもあり、2GBから多いものでは6GB以上搭載している機種も存在します。
近年はOSの改良によりメモリは効率よく使われていますが、搭載しているメモリの容量が小さい場合は、大容量のアプリを複数同時に利用すると動作が遅くなったり、一部のアプリを閉じる必要があるなど、制限が発生してしまいます。
特に大量のデータを扱うケースでは、メモリの領域を圧迫することに繋がります。
例えば動画を見る場合は、メモリ上にダウンロードしながら再生します。
キャッシュとは何らかの動作に必要なデータを事前にメモリへ保存することですが、メモリ容量が少ないと一度に読み込むことができるサイズが減るため、頻繁にキャッシュ動作が発生することになり、スマホの動作に少なからず悪影響を与えます。
SDカードに保存している電子書籍を読む場合も、一時的にメモリ上にロードされますから、空き容量が少ないと頻繁に読み込みが発生しユーザーにとってはストレスに成りかねません。
インターネットやNASに保存している場合も同様で、搭載しているメモリ容量が大きいほど高性能となります。
スマホ搭載のOSによってはRAMのポテンシャルを活かせない
但しOSによってメモリの管理方法が異なるため、大容量であれば必ずしも高性能とは限りません。
例えばAndroidはOSのバージョンが4.0以降であれば自動的にメモリの解放が実施され、メモリ空間の効率的な利用が可能となっています。
が、1つのアプリが利用できるメモリサイズは限られていますから、アプリのサイズが大きいとパフォーマンスに影響が出る可能性があります。
一方iOSでは1つのアプリがほとんどのメモリ領域を使うことが可能なため、Androidと同じ容量のアプリでも、搭載メモリに余裕があれば動作に大きな影響はありません。
いずれにしろ軽快な動作を求める場合は、大容量のRAMを搭載している機種を選択し、できる限りメモリを圧迫しないようアプリの同時動作を避けることが必要です。
まとめ
スマホのスペック紹介などでよく見かける「RAM」がどんなものなのか解説しました。
RAMは多いに越したことはありません。
ただ容量が増えればそれだけスマホ価格が高くなってしまいます。
スマホでどんなことをするつもりなのか?によっては2GB程度でもストレスを感じることなく使えますが、今はコスパの高いモデルでも4GB以上搭載していることが多いです。
RAMが4GBもあれば問題なく使えるでしょう。
数年前までは2GBが主流でしたが、いまは極端に低価格なスマホでなければ十分な容量を備えています。
新しめのモデルで人気の端末を選んでおけば問題ないでしょう。